「音」をとらえる

身の回りにあふれる「音」を、日常とは異なる角度や現象からとらえ、新たな音体験を創出した7組のアーティスト・クリエイターが集結する展覧会。「音」という形のないものから、さまざまなイメージが視えてくる瞬間を導いていく。
先端テクノロジーを駆使して音を生き物のように操り、まったく新しい聴覚体験を生み出す作品から、物質そのものが持つ音の特性を見出す作品、楽器のインターフェイスを更新する新たな演奏体験まで、音にまつわる多様なアプローチが展開される。

【協賛】
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【作品解説】
_hearing_things 「hearing things #Metronome」
evala


闇の中で、音の粒と粒が飛び跳ね、うねり、無限の空間へと誘う。音の現象がまるで生き物のように感じられる、まったく新しい聴覚体験を生み出すサウンドインスタレーション。
内側を特殊な無響・遮音パネル素材で囲われた黒い部屋の中に入ると、暗闇の中でライトを浴びた3台のメトロノームが、カチカチと単調な音を刻んでいる。視界がだんだんと遮断されると、メトロノームの音が複雑な立体音響プログラム処理によって増殖し、空間内で引き伸ばされたり、粉砕されたりしながら、体験者の体をまさぐっていく。真っ暗闇の中、その豊かな音の生態系に耳を澄ませるとき、脳内には様々なイメージが表出し、「耳で視る」という新鮮な体験を得ることだろう。先端テクノロジーを用いた音の現象が、人の知覚を拡張させ、動的に変化し続ける「音のアーキテクチャ」を 構築していく。
*すべての音は、マイクロフォンによって採取されたメトロノームの音がリアルタイムに処理され、再びマルチチャンネル・スピーカーから発することで構成されている。
Composition & Programming: evala, Akihiko Matsumoto, Ray Kunimoto



_vinyl
「Vinyl」
八木良太


レコードのシリコン型に水を入れて凍らせた氷のレコード。 時間の経過によって氷は溶け、音楽は蒸発する。氷が溶けはじめると、音楽はリフレインを始める。溝が完全に溶けるまで、音はゆるやかにフェードアウトしてゆく。記録が記憶に乗り移る瞬間、フレーズは幻聴のように焼き付く。常温において氷はその形をそこにとどめることができない。記憶もまた常に曖昧なものである。


_onNoteV2 「onNote v2」
筧 康明


onNoteは、楽譜の印刷された紙を用いたミュージックインタフェースである。今回展示するonNote v2では、テーブル面に埋め込まれたLEDの光の上に、紙楽譜を重ねることにより、楽譜上のその位置に対応するサウンドが奏でられる。体験者は、紙楽譜の動き・種類・組み合わせに応じて、インタラクティブに譜面に記された音列を再構成し、「演奏」することができる。
プロジェクト開発技術協力:山本祐介、内山英昭、長谷川貴広、田代俊太郎


_slime_synthesizer
「Slime Synthesizer」
佐々木有美+Dorita


スライムシンセサイザーは流動体、または不定形のシンセサイザーである。スライムを触る事、また変形させる事で音が変わるこのスライムシンセサイザーは、まるで音の雲を掴みながら音を作り出しているような感覚を持つ事ができる。シンセサイザーとまず自分を繋ぎ、別接点をスライムへ繋げることでスライムを触れた時に音が出る。全く新しい楽器体験となるだろう。第18回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞受賞作品。


_dtm
「DTM」
大西景太


NHK、Eテレの番組「テクネ 映像の教室」より「時間操作」という技法の使用を前提に依頼を受け、制作された映像作品。机上の様々なモノの動きを操作し、その音を構成することでミュージックコンクレートとしている。タイトルの「DTM」は主にPCを使用した音楽制作を表す「デスクトップ・ミュージック」(和製英語)の略称。


_lyric_speaker
「Lyric speaker」
Lyric speaker制作チーム


Lyric speakerは、音楽と同期して歌詞が表示される次世代型スピーカー。モバイル端末から好きな音楽を選曲して再生すると、その楽曲の歌詞が透過スクリーンに浮かび上がる。バラードのような優しい曲であれば優しいフォントや動きに、ロックのようなエネルギッシュな曲であれば力強く。歌に込められたメッセージが言葉として目の前に浮遊する、詩的で未来的な体験を提供していく。


_binetsu _doko 「微熱」 / 「どこ」
南條沙歩


「微熱」
主人公の少女に取り憑いているゴーストは、いつもと何一つ変わらない日常の中に、”囁き”や”気配”となって潜んでいるのだった。その正体は、未練の思いを引きずる亡き友自身の魂なのか、それともこの世に置き去りにされた主人公が生み出した記憶や願望、執着の幻なのか。

「どこ」
なくなる(なくす)、壊れる、消える、変わる。見えていたものがふっと見えなくなったとき。その行方と、それにまつわる記憶。


出展作家
evala、八木良太、筧 康明、佐々木有美+Dorita、大西景太、Lyric speaker制作チーム、南條沙歩
料金
無料

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日時
9月2日(金)15:00〜21:00
9月3日(土)10:00〜21:00
9月4日(日)10:00〜19:30
会場
ロームシアター京都 プロムナード(1F)

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